OB・OGインタビュー②
こんにちは!
本日の更新は、OB・OGコーチインタビューその2です!
今回担当して下さったのは、森高大さんです。
森さん(写真、右から二番目)
森さんは、学生時代からERUTLUCで活動されており、現在はBリーグのアルバルク東京でコーチをされています。男子日本代表のスタッフとして、鈴木コーチと同じ現場で活躍されています(^^)
ERUTLUCの本の監修もお手伝いしてくてれいます。
「判断力を高めるトレーニングブック」は、森さんが監修補助をして下さいました。
この本では、バスケットにおいて不可欠の”判断力”とは何なのか、そして判断力を上げる練習法などを紹介しています!
バスケットボール 判断力を高めるトレーニングブック(2015)
今回は日本代表の代表合宿の最中、インタビューに答えて下さいました。
それでは、早速インタビューをしたいと思います。
〜 森 高大(もり たかひろ)さんインタビュー 〜
1. 現在、お仕事は何をされていますか?
アルバルク東京でアシスタントコーチ兼スキルコーチとして活動しています。
男子日本代表のサポートコーチもしています。
2.ERUTLUCでは、いつからいつまで活動していましたか?
また、どの練習会に参加されていましたか?
大学ではバスケ部に所属していたのですが、大学3年生の10月にリーグ戦が終わりプレイヤーを引退、学生コーチになるタイミングで知人の方にERUTLUCを紹介していただいて活動を開始しました。大学の女子バスケ部の先輩が小平練習会の卒業生で、しかもご両親が小平練習会の創設に関わった方らしく、その方の紹介で知りました。
クラブチームの2期生達の時に、鈴木代表のもとでアシスタントをさせていただいたのが最初です。大学4年生のリーグ戦が終わるまではクラブチーム中心に活動し、その後は埼玉教室、品川練習会でレギュラーで活動しながら定期で出張指導をもたせていただいたり、他の教室に勉強に行かせていただいたりしました。大学を卒業し、8月にアメリカへ大学院留学にいく直前まで活動しました。
3.当初、将来バスケットボールのコーチになりたいと思ったことはありますか?
また、当時よりプロコーチという職に就きたいと考えていましたか?
中学の頃から将来はバスケットのコーチになるつもりでした。ただその時は両親が体育の教師ということもあり、地元である香川県に帰って教員になることしか頭にありませんでした。正直全くプロコーチなど頭になかったですね。なれるとも思っていませんでした。留学から帰る直前まで香川県の教員採用試験を受けるつもりでした。
4.大学院留学のきっかけは何ですか?
また、留学して良かったと思う事を教えて下さい。
教員免許が高校の英語ということもあり、両親には「英語が喋れないまま英語の教員になどなれない。留学させてくれ!」と頼み込みました。ただ本心はバスケットとコーチングを本場で学びたいという気持ちが強く、現に大学院ではアスレチックコーチングで修士号を取得しました。笑 これもすごいご縁なのですが、当時鈴木代表の出張指導にご一緒させていただき、そこの懇親会でご一緒した先生に留学したWest Virginia大学を紹介していただきました。当時West Virginia大のマネージャーをやっていた浜中君を紹介していただき、男子バスケ部のマネージャーになることができました。普通はチームに入るだけでも大変なのに、そのご縁のおかげで2年間、英語、コーチング、バスケットをみっちり学ぶことができました。
留学して良かった点をあげればキリがありませんが、何よりもNCAA1部の強豪校のチーム作りやワークアウト、また裏方の仕事がどのように回っているかをチームの内側から観れたことです。2年目はNCAAトーナメントでSweet16まで進むことができました。最後はKarlanthony TownsやDevin Bookerなどがいたケンタッキー大にボコボコにされましたが、あの1シーズンは忘れられません。
またバスケの現場で使う英語を学べたのはこの仕事をやる上で思ったよりも強みになっていると思います。チームには必ずアメリカ人プレイヤーもいますし、外国人コーチに仕える場合も英語を使えなければいけない。彼らと直接コミュニケーションが取れ、コーチングできるのはプロのカテゴリーで働く上でかなり活きいていると思います。
5.当時と今のERUTLUCでの、一番の変化はなんでしょうか?
現在のERUTLUCをそれほど見れているわけではないのでなんとも言えませんが、外から見ているとERUTLUC自体へ認知度や期待がかなり大きくなっているのではないかと感じます。プロのカテゴリーのコーチでも多くの方に知られていますし、着々と信頼を築いていっているなあと思います。素直にすごいですね。
6.当時の子どもへの指導や、コーチ育成において今でも記憶に残っていることはありますか?
具体的な子どもとの思い出や指導で悩んだこと、コーチ陣のフィードバックで語り合ったことなどあげればきりがありません。しかし一番鮮明に覚えているのは、一番最初にクラブチームに行って鈴木代表の指導を見た時ですね。確かフローティングからの1on1が中心の練習でした。あれほど理論的に系統立てて1on1のムーブを教えられるものかと驚きました。またそれまでガッチガチの怒鳴る指導しか知らなかった僕にとっては、ハードにプレイしながらも子どもたちのポジティブなエネルギーに溢れていたあの空間が衝撃的でした。今思えばあれが僕にとっての一番のパラダイムシフトだったのかもしれません。あの光景が、僕が目指すコーチ像に大きく影響を与えたことは確かです。
当時の社員は8名くらい、コーチ全員で50人くらいいたと思います。埼玉教室は子どもが50人くらいいたと思います。コーチも子どもも、エネルギー溢れる空間で好きでしたね。
7.ERUTLUCにいて、良かったと思うことはありますか?
また、現在のお仕事に生きている事があれば教えて下さい。
まず上にも書いた通り、自分の目指すコーチ像を大きく変えてくれました。John Woodenの「なりうる最高の自分になる」という成功の定義も、今の僕の理念そのものです。
具体的な指導でいえば、ERUTLUCは市販の本やビデオで教えてくれない、根幹となる理論を学べる数少ない場所でした。例えばコーディネーショントレーニングもドリルはそこらじゅうに転がっていますが、その元になる理論を学べる場所は少ないです。スキルトレーニングの分類の仕方や整理の仕方はここでしかこのレベルで学べなかったと思います。
またコーチ同士がフィードバックして教えあうというのも、自分の指導を高める上で非常にありがたかったです。
8.コーチという職業の魅力は何でしょうか?
僕はプレイヤーが成長していくのを手助けできる、ということに尽きると思います。誰かが成長していくのを手助けできるのはこれ以上ない喜びです。それが小学生だろうとプロだろうと変わりません。
9.子どもの指導、プロの指導、二つを経験して、これからのバスケットボールをより良
くしていく為に何ができると思いますか?
かなり大きな質問なので難しいですが、結局のところアンダーカテゴリーの指導者、プロの指導者がお互いに成長し続けるしかないと思います。例えばアンダーカテゴリーの指導者であれば長期的に見たアスリート育成の理論から始まって、具体的な練習方法も含めどうすれば子どもがなりうる最高の自分になれるかを研究、勉強する必要があるでしょう。トップカテゴリーのバスケットを見て、今のバスケットで何が起こっているのかを知り、子どもがそのカテゴリーに到達するための準備をさせる必要もあるでしょう。
プロの指導者はプロの指導者で、子どもやコーチが見ているのを自覚してよりいいバスケを目指す必要があります。クリニックや講習会をする機会があれば、多くの場合アンダーカテゴリーの指導者よりも勉強する時間も資源もある分、より良い情報を提供する必要があるでしょう。
どのカテゴリーの指導者も常に向上し続ける必要があります。
10.最後に、現役コーチに向けて一言お願いします!
ERUTLUCは非常にいい図書館のようなもので、自分次第で本当に成長できます。自分から積極的に学ぼうとすればいくらでも学ぶことができますし、逆に「どうせ情報をくれるんでしょ」と待っていては何も成長できません。ぜひ自分からアクティブに動いて、どんどん成長していってください!
ERUTLUCコーチ時代の森さん
森さん、貴重なお話をありがとうございました!
今後のさらなるご活躍をお祈り申し上げます(^^)
森コーチのブログはここをクリック! → 「コーチMのブログ」
それでは、次回の記事もお楽しみに!