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2007 春

こんにちは(^^)

本日の更新は、10年前の4月9日を振り返ります。 この日は、個人事業だったバスケットボールの家庭教師が株式会社ERUTLUCとして設立された日です!

「バスケットボールの家庭教師」としての個人事業から、法人になるまでの5年間の過程と今後のERUTLUCの展望を、鈴木コーチにインタビューしました。

今回の記事は、いつにも増して必見です!

ERUTLUCの設立までと、これから ー 鈴木代表インタビュー ー

鈴木良和代表(写真は2017年春のもの)

個人事業から、企業へ

「バスケットボールの家庭教師」という個人事業から、「株式会社ERUTLUC」に発展させた理由としては、大きく分けて2つあります。

1つ目は、より多くの方々と相乗効果的な関係を築くためです。個人事業は社会的に信頼を集めるのが難しい形態です。法人格を取得することは、さまざまな企業と契約を結んだり、連携していく上で重要です。 大きな事柄を達成したい、と考えた時に、色々な業者の方や多くの方々と連携してより良い関係を築く事が大事になります。自分たちだけでできることの範囲を超えて、子どもたちにより良い環境を作っていきたいと考え、株式会社を設立することにしました。

2つ目は、雇用の側面です。雇われる側にとっては、個人事業に雇われるよりも法人に雇われた方がより安心して働けるだろうと考えました。会社であれば、色々な保証も整備しやすいため、バスケットボールの家庭教師で働きたいと考えてくれたスタッフたちにとって、法人を設立することが重要だと考えたのです。

そして、法人にも様々な形態がありましたが、その中でも「株式会社」を選びました。NPO法人という選択肢もありましたが、非営利組織という性質上制約条件が多いことが問題でした。我々の事業は新しいチャレンジの連続で、より柔軟に事業に取り組むことができる株式会社を選択しました。 また、教え子達がコーチとして活動に戻ってきてくれることが多くなり、ERUTLUCという会社の基盤がしっかりとできてきたことも、会社を設立するための機運を高めました。

ERUTLUC 3つのミッション

これが、僕たちのミッションです。ERUTLUCの3つのミッションは、「バスケットボールの家庭教師」という個人事業として活動する中で、少しずつ確立されました。

1. より多くの子どもたちになり得る最高の自分を目指す環境を提供する

僕ははじめ、「ジュニア期の子ども達の指導者として卓越したい」という夢を持っていました。それはすなわち、教員になってチームを強豪チームに育てるということでした。それまで、指導者として卓越した人物になるということは、一つのチームを強くすることだと思っていたからです。しかし、大学に入り日高哲朗先生に出会ったことにより、「日高先生のような指導をもっと多くの子ども達が受けられるようにしたい」と考えるようになりました。そこから、一つのチームを強くするという卓越の仕方ではなく、「多くの子どもたちに与える影響を大きくしていく」という卓越の仕方もあるということを考えました。影響の輪を大きくするには、指導者を育てる指導者を目指した方が良いと考え、大学の教員を目指すようになりました。 このように、僕の夢は時代とともに変遷していったので、ミッションにある「より多くの子どもたちに」というのは僕の「卓越性とは何なのか」という問への答えの変遷が大きく関係しています。そして、「なり得る最高の自分」というのは、ジョン・ウッデンコーチの哲学が関係しています。僕がこの哲学に出会った時に、ジュニアのコーチングにおいて重要な考え方だと確信しました。ジュニアの頃はまだ成長の過程なので、単に勝敗ではなく、その子がベストを尽くしたかどうかが成功の指標だと思うからです。この二つを同時に達成できるような環境作りを大切にしたいと考えました。

2. チームスポーツだからこそできることで教育に貢献する

ミッション2に関しても、僕が教員を目指していたという事から「教育」という視点は非常に大切にしていました。それに加えて、子どもにスポーツを教えるということは、教育的な責任からは逃れる事ができません。教員でないにしろ、子どもにスポーツを教えるとなった段階で教育的な役割を担うと思い、ミッションに入れようと考えました。

3. 世界で最もビジョナリーなコーチチームを作る

会社にしていくと決まった際に、色々な組織に関連する本を読んでいました。その中の、「ビジョナリーカンパニー」という本を読んで、人生をかけて一つの法人を作るのだから、何かわくわくするような、野心的なビジョンを持とうと考えました。そこで、世界中どこを見てもないようなコーチチームを作ろうと考えました。これが「世界で最もビジョナリーなコーチチーム」のきっかけです。

文化を変える

ERUTLUCの名前の由来は、CULTURE(文化)です。その当時は当たり前ではなかった、ジュニアの現場により多くの専門家を育て、部活やミニバス以外の第三の環境を作っていくという、新たな文化を築いていくという意味を込めて、ERUTLUCと名付けました。

そういった意味では、バスケットボールを子どもに教える環境というものはだいぶ耕されてきているように感じます。バスケットボールにおけるスキルコーチの存在についても少しづつ文化が変わってきています。その中で、子どもたちにスポーツを教える立場の人々が「プロ」としていて、経験を積む中でキャリアアップしていく課程も、15年前に比べて変化が見られているように思います。

ERUTLUC VISION

バスケットボールの家庭教師が始まってから会社設立までの5年間と、会社が設立してからの5年間の計10年間では、「既にバスケットボールをしている人たちがもっとバスケットボールを上手になってもらう」というヴィジョンのもと活動してきました。次の10年間つまり15周年を迎えた今、20周年に向けて「バスケットボールをしていなかった子どもたちがバスケットボールを楽しいと思ってもらう」というヴィジョンの実行に取り組んでいます。これは、はじめの10年でおいたミッションを辞めて次のミッションに移る、というのではなくそのまま引き継ぎながら新たな展開をしていくという意味です。

「バスケットボールをしていなかった子どもたちがバスケットボールを楽しいと思ってもらう」というヴィジョンの実行のために、5年前よりERUTLUCには普及事業部が設立されています。今では普及向けの研究会も整っており、これからこの先5年間はより普及活動に従事したコーチの数を増やし、活動の幅を大きくしていきたいと考えています。

普及事業部長・加賀屋圭子コーチ       

ここから先のさらに10年後、30年ヴィジョンとしては、バスケットボールという種目の枠を超えて、色々な種目の子どものスポーツに真摯に取り組んでいる人々と連携を図ることです。様々な分野の指導者の方と繋がることにより、スポーツの垣根を越えた情報が集まってくると考えるからです。例えば、バスケットボール界で発見された有益な情報が、バスケットボールという種目留まらず多くの分野で活用されれば良いと思います。様々な人と手を取った状況で子どものスポーツ環境をより良い物にしていく事を、30年ヴィジョンとして実行したいです。そのため、ERUTLUCという企業の中にサッカーやラグビーと言った事業が入る可能性もあります。ERUTLUCの理念に沿った事業部を取り入れる事を視野に入れています。ERUTLUCという社名に「バスケットボール」の名前を入れなかったのは、そのような未来がイメージとしてあったからです。 我々は子どもたちのバスケットボール環境をよくしていくことにこだわった活動です。今も昔も。その目標に変わりはありません。 僕は現在、日本代表のバスケットボールチームに携わらせて頂いています。トッププレーヤーを指導したい、プロリーグのコーチになりたいという理由で日本代表に携わっているのではなく、僕が代表の強化に少しでも力になることで、子どもたちがもっと夢を持つことができる未来に貢献したいと考えています。我々が行なっている意思決定は、常に子どもたちの環境づくりにとって価値があるかどうかで決断されます。 子どものバスケットボールの指導環境をより良い物にするために、常に多くの人が手を取り合い、何ができるのかを考えていくことが重要です。そのためにも、僕たちは理念を発信していかなくてはならないと思います。そして、理念を共有する方々とこれからもたくさんの連携を実現し、相乗効果的に協力しあっていきたいと考えています。

2027年にむけて

この先10年と言えば、もともとのビジョンで言えば20周年に向けてとなります。バスケットボールの家庭教師20周年に向けて鍵を握るのは普及活動です。残りの5年間でどれだけ普及活動を充実させることができるかは大きな意味を持つことになります。

また、他種目との連携という30周年に向けたアクションをどれだけ実行できるかも重要です。 しかしながら、これらは今まで行ってきたメインストリームをより向上させながらのアクションです。引き続き、バスケットボールを教えるという活動や、コーチの育成などチャレンジを続けながら、様々な所にチャレンジしたいと思っています。それが、ライバルであるディズニーに追いつくために、大事になってくる所です。理念が失われずに、新しいコーチが増えていく、などといった事です。

会社が大きくなっていくためには、多くの個性が集まることでしか達成することができません。色々な価値観を受容することのできるような、そんな組織にしたいと僕は考えています。価値観のがっちりと合った20人、30人といった小規模な人の中で何かを作り上げていくことは容易い事ですが、これが100人や1000人といった規模になった際に、これだけは全員が共通の価値観として持ち合わせなくてはいけないといったものは中心におきつつも、それ以外の様々な価値観の人々がERUTLUCを通じてより良い人生を歩み、多くの人を幸せにできればいいなと思います。

確固たる理念と、それに加えて柔軟性や包容力を大事にするような組織こそが、2027年に向けてERUTLUCが目指すべき物です。ERUTLUCには、多くの教え子達がコーチという立場で戻ってきてくれています。ですから、年齢の幅は大きいです。そんな中でも、活動の質を決して下げることなく、全員が理念を見失わずに協力していけるように組織の挑戦は続いていくと思います。

鈴木コーチ、ありがとうございました。

それでは、次回の更新もどうぞお楽しみに(^^)

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